知りたいときが学びどき


朝ドラを見ていると、主人公の女性が天気のことを学んでいて、医者で博識の青年からレクチャーを受けています。彼女はたびたび素朴な質問を投げかけていますが、そのたびに青年は「その問題は置いておいて」とか「そこから一旦離れましょう」と言って遮ります。それを見るたび、「えー」って私には不満がたまっていきます。相手に合わせるのでなく、彼のペースで教えていくのは何とも私とはやり方が違っていて..。
どちらの教え方がいいのかわからないけれど、私の教室では子どもたちのつぶやきに耳を傾けています。教室に来る途中で見た風景、不思議に思ったこと、「学校でこんなことがあったよ」「何でこうなるんだろう」という素朴な疑問に「えーっそうなの?」と私も驚くこともあれば「何でだろう」と一緒に考えることも...。

以前連休明けに「近所でこどもの日を過ぎたのにこいのぼりが出ているのは何でだろう?うちはすぐにしまったのに」とつぶやいたお子さんがいました。
「この辺では旧暦の節句まで飾る習慣があるのよ、約一ヶ月5月中飾ったり」と伝えると旧暦を知らないらしく、
「ぼくし通りのお雛飾りも毎年旧暦の桃の節句4/3頃までやってるよ、仙台の七夕は8/7にやるし、伝統的な催しは旧暦でやることが多いかな」と教えました。
「今の私たちの生活は新暦でやるようになったけど、今でも旧暦のほうがメジャーな行事があります。何でしょう?」これには答えられませんでした。
「それはお盆です。○○君の家でも8月のお盆になると親戚の人たちが来て一緒にお墓参りするでしよ」
「うん、行く」
「これもさっき旧暦のほうがメジャーと言ったけど当然新暦でやってるところもあるのよ」
「えーっ」
「東京の方では新暦でやります。ただ東京も地方から来た人たちが大勢いるから旧暦で田舎に帰る人がたくさんいて旧暦のほうが盛んだけど。実は先生のうちは埼玉だけど新暦でやるのよ」
こんなふうに身近なところから会話がはずんでいきます。
こんなやりとりの後、今年は父の初盆、帰れるかなと思いはいっとき埼玉にとぶのでした。  


2021年06月22日 Posted by ほくしん at 14:13Comments(0)